
みんな転売されるのは嫌いだろう?
だが、これから紹介するのは、なんと「ヤフオク!」公式が転売を推奨・支援する構造になっているという事実だ。知らない間にあなたの商品が海外で高値で転売されているかもしれないのだ。
海外転売業者の存在
ヤフオク!・メルカリなどで出品していると購入者に「Buyee(バイイー)」という名前の購入者を見かけないだろうか?
最初は変な名前・・・と思う人もいるだろう。
しかし、2回3回と色々買ってくれるからすごい人だなと思う。購入者の評価を見てみると驚きの購入数である。
実はこれは海外の購入者の代行業者であり、いわゆる転売業者である。しかも、転売の中でも「無在庫転売」「ドロップシッピング」に近い業態で買い付けているのだ。
驚くことにヤフオク!(メルカリや他プラットフォームも同様)とバイイーは業務提携していて公式も認証済みとの事だ。
転売の流れ(海外買取代行)
転売ともとれる海外買取代行の構造としてはこうだ
例えばヤフオク!で 「FUJIFILM SUPER 120 AZ 」というカメラを見てみると500円で売っている。
これはそのままバイイーというサイトで転写され、バイイープラットフォームに商品が「勝手」に陳列する。

つまりヤフー出品者は自分の商品が、他のサイトで意図せず陳列(勝手に転載)する事になる。
これを世界の外国人がバイイーというサイトを見て買うわけだ。各言語に変換できるので、ヤフオク!より見やすいのである。
ちなみちebayでこの商品の値段を見てみると44ドル程度で販売している。日本円に換算すると6000円だ。

例えば アメリカ人が FUJIFILM SUPER 120 AZ が欲しい場合、自国の有名なECショップ 「ebay」で買う場合44ドル(+送料)も出さなければいけないが、バイイーで同じものを買う場合、3ドル程度(+送料も安め)で買えるというお得な仕組み。
これは一見、ヤフオク!出品者とアメリカ人の購入者双方がwin-winの関係になっているように見える。
実際どちらも「売れた」「買えた」でwin-winになっているのは明白だ。
出品する側や購入した側にとってはありがたい事で、「バイイーさんありがとう!」と心の底から感謝をしている人もいると思う。
でも忘れていないか? 我々日本人は、本質的に「転売野郎」がなぜ憎いのか?

そう、彼ら転売野郎はたいして努力もしていないのに出品者の「仕入れ」「清掃」「写真撮影」「梱包」「発送」をすべて安く買いたたいているからだ。
そのくせ文句は一丁前。コンディションも細かく粘着質問し、言質を取り、注文も細かく指定してくる。例えば発送先住所「~~何丁目~~番地 ID192922」とかね。
転売のイメージと言えばレアもののガンプラを定価1980円で大量購入し 8000円でメルカリ、ヤフオク!に流して売る。こういった事は昔からよくある。
ガンプラが店から大量購入され本当に欲しい人が買えない。泣く泣くフリマで8000円で買えば転売野郎!と憎しになるだろう。
だから転売野郎は嫌われる。
今回のヤフオク!×バイイーでも意味合いは逆ではあるものの、これと同列レベルの事が起こっているのだ。
「FUJIFILM SUPER 120 AZ」に例を挙げれば、本来このカメラは30ドル程度の価値がありちゃんとした所で売ればその程度で売れるにもかかわらず3ドル程度で買われてしまった。ということになる。
要は売り手が損しているか買い手が損しているかの逆のパターンにはなるが、マクロの視点で見れば日本の良質製品を3ドルで買いたたかれて外国に流失いてるという事。
これは日本の資源が30ドルあったものが3ドルで買いたたかれたという意味合いになる。ヤフオクで日本人が購入するならこの商品は国内にとどまり、また他の日本人に回り使用なり販売也で利活用されるわけだ。
つまり外国人にゴミのような価格で売れたことによって「FUJIFILM SUPER 120 AZ」という在庫が日本から1個クソ価格で日本から消えたというわけ。
ヤフオク!(メルカリや他ECプラットフォーム)がバイイーと提携する理由
従来のヤフオク!などのECプラットフォームは、国内ユーザー間の取引が前提であり(海外発送も容認はされているものの)その趣旨で運用されていた。しかしながら、いつからか海外の依頼人からの代行依頼を受けてヤフオクで商品を購入・販売する行為をヤフオク!自体が公認してしまったがために、既存のユーザーへのルール違反を自身で行ってしまったのだ。というのもこれが許されるのなら実質無在庫も間接的に許されるからだ。
日本最大級のネットオークションサイト「ヤフオク!」。多くの個人出品者が利用しているが、そのシステムの裏には驚くべき構造的な問題が潜んでいる。
特に問題視されるのが、出品者がアップロードした商品画像や説明文が、出品者の許可なく第三者企業に利用されているという点である。具体的には、Buyee(バイイー)と呼ばれる海外向け代理購入サービスが、ヤフオク!の出品商品をeBayなどの海外サイトに転載し、出品者の画像や説明文を使用して無断で販売を行っている。
さらに悪質なのは、ヤフオク!がこのBuyeeとの連携によって、二重の手数料利益を得ているという点だ。出品者からは通常の落札手数料を徴収し、さらにBuyeeが海外転売時に得る手数料からもYahoo! JAPANが利益を得る構造となっている。つまり、ヤフオク!は出品者と買い手の両方から手数料を得る仕組みを形成しているのである。
転売の危険性
例えヤフオク!やバイイーが利益を中抜きしていても、出品者、購入者には確かに関係のない話である。
そもそもその価格でしか国内では売れないのだから、買ってくれる分にはバンバイザイだ。買う側も安く買えるのだから、これほどいいシステムはないと両者満面の笑みかもしれない。
しかし、問題の本質はそこじゃない。
ヤフオク!の利用規約では、画像や説明文について「無償かつ非独占的な使用許諾」をYahoo! JAPANに与えることに同意したとみなされる。しかし、この"使用"の範囲がどこまでかは極めて曖昧であり、ユーザーが意図しない形で画像が海外に流用される可能性がある。
これは、日本の著作権法の観点からも問題がある。著作物は創作者に著作権が帰属し、第三者が使用するには原則として許諾が必要である。また、ヤフオク!がBuyeeを通じて外部プラットフォームにサブライセンスしている場合、それは出品者に対する説明責任を欠いていると言わざるを得ない。
そう。撮影やら、仕入れやら、清掃やらという苦労を勝手に使われて、知らない間に商品が海外で安値で転売されている点だ。購入者はバイイーに紹介手数料を取られる。
本来の商品価値の30ドルを知らぬ間に勝手に抜かれているともとれる。
出品者が知らない事をいい事に、本来の価値を知らぬことをいい事にマージンを抜いている。という点においては 先ほどのガンプラと同様、利益を中抜きをして利ザヤで大うけしているという点だ。
また倫理的にも問題
たしかに、誰も損しないと思われる構造だと思われるが果たしてそうだろうか。
ヤフオク!は無在庫販売を固く禁じている。それは「倫理的」に転売が誰かの不利益につながるから禁じているわけだが、「無在庫転売」なら尚更購入者に迷惑をかける問題点が多数存在するから固く禁じる事は「当たり前」である。
もちろん商売なので無在庫している人は多数お見掛けする。そういったユーザーに容赦なく「利用停止」「出品制限」を課すことは当たり前ではある。
だが、ヤフオク!自身はバイイーという転売を許諾し、自身がバイイーから商品手数料まで取るというのはいささか倫理的におかしいのではないだろうか。
ヤフオク!で出品している出品者はヤフーの厳しい規制やルールを順守して、それを破ればいとも簡単に垢バンまでされるというのに。しかも、出品した商品がカテゴリーミス(ジャンル違いの名目で出品)しただけで出品制限をかけられ実質永久バンだ。(近年この傾向が顕著になったのは、カテゴリーを順守させ転載サイトの外国人を困らせない為の保護ともいわれている)
邪推にはなるが、最近ヤフオク!側で垢banされてと意見が増えているが、このような構造の意にそぐわない出品者を「整理」しているのではないかと思われる。
カテゴリーミスだけで垢ban、取引キャンセル(しかも購入者都合)を数回しただけで垢ban等様々だ。
それだけならまだいいが、自分が苦労して出品した商品が勝手に違うサイトに転載を許し売れれば、ヤフオク!は出品者から10%手数料を徴収し、バイイーから更に手数料を徴収するという2重取り。プラットフォームという厳格のルールを順守させる割には好き勝手に出品者を消耗品のように利用して暴利をあげているという構図だ。
さらに悪質なのは、ヤフオク!がこの構造を「利用規約に同意しているから問題ない」として黙認している点だ。実際、多くの出品者は自分の商品が海外で勝手に再販されている事実すら知らない。こうした構造は、出品者の信頼を搾取する仕組みとして、もっと広く知られるべきだ。
筆者は、消費者センターへの相談、法的措置の検討、そしてebayへのVeROプログラムを通じた通報を行いながら、この問題の周知を進めている。ネット物販が縮小する現代において、出品者が搾取されず、フェアな取引が行われる社会を目指す必要がある。
何時の時代もそうだが、ルールを作ったものが問答無用で殿様商売で暴利をむさぼるから 弱者はいつまでたっても弱者のまま抜けられないのだ。それが貧困につながり国全体を衰退させることは歴史を見れば言うまでもないことはみなさんも理解している事だろう。