昨今、自然災害が各地で猛威を振るうように、例年にはみない異常気象が目立つようになってきました。ゲリラ豪雨をも凌駕する、激甚豪雨。7月には40度を超える人命に迫る酷暑。その上に台風。当ブログでもエアコンの上手な使い方等、ライフハックを主に取り扱っていますが、その上で更に防災に関わる情報も書いています。今回は台風についての予備知識やもっておいたほう良い道具を書いてみたいと思います
北海道を除く日本で、毎夏心配なのが台風による被害です。
特に8月9月は特に台風の発生が多いので、6月から対策や用意をしておいたほうが賢明です。
都市部での集中豪雨や道路の冠水に見舞われた年もあり、雨と風の被害は毎年後を絶ちません。
また連年には見ない、連続自然災害。立て続けに来ると家財を失うような大きな損害を被るパターンになる可能性もあります。
2018年7月末に日本を直撃した台風12号「ジョンダリ」。花火大会の開催延期・屋外でのライブイベントが中止になる等の被害が日本各所でありましたが、実は台風としては小さいものでした。
東に移動するため本土直撃はしないと思われます。しかし、気象庁の予測によると
<08日09時の予報> | |
強さ | 強い |
存在地域 | 八丈島の東約180km |
予報円の中心 | 北緯 33度20分(33.3度) |
東経 141度40分(141.7度) | |
進行方向、速さ | 北西 15km/h(9kt) |
中心気圧 | 970hPa |
中心付近の最大風速 | 35m/s(70kt) |
最大瞬間風速 | 50m/s(100kt) |
予報円の半径 | 60km(30NM) |
暴風警戒域 | 全域 160km(85NM) |
引用:気象庁台風情報 (https://www.jma.go.jp/jp/typh/)
であるため、十分に注意は必要です。
大型・超大型と呼ばれる台風でなくとも、注意が必要です。
コンパクトな台風は中心に近づくことで急激な悪天候になり、突然の暴風・大雨の可能性が非常に高いのが特徴なのです。
そもそも「大雨」ではなく「台風」とは、どんな状態なのでしょうか?
目次
台風とは
台風とは、簡単に言えば低気圧が発達したものです。
熱帯の海上で発生する低気圧を、熱帯低気圧と呼びます。
温かい海面から供給された水蒸気が凝結して、雲の粒になるときに熱を発します。
この熱をエネルギーとして台風は発達します。
台風の定義
熱帯低気圧は雨・風を伴いますが、海面から陸地に上陸すると水蒸気の供給が絶たれる為、海面にある時より衰え、次第にまた熱帯低気圧・温帯低気圧に変わります。
気象庁の定義によると、北西太平洋及び東シナ海にある熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速がおよそ毎秒17メートル以上のものを「台風」と呼びます。
TVの天気予報などでよく聞かれますが、台風には「強風域」「暴風域」があります。
強風域 | 平均風速が15メートル以上/秒 |
暴風域 | 平均風速が17メートル以上/秒 |
強風域・暴風域共に雨・風の被害の心配があり、これ等の域に入っている地域には注意が必要です。
風速について
風速と言ってもピンと来ないかも知れませんが、実は風速10mという予報が出ていたら既に注意が必要です。
風速は地上から10メートルの所でプロペラ計測機で、計測しています。風速は10分間の、平均風速の事です。
下記は風速の強さを表したものです。
風速10m~15m | 歩きにくい・木の枝が動く・50㎞で走行中の車から顔を出した状態 |
風速15m~25m | 体を傾けないと立っていられない・子供の歩行は大変危険・飛来物からの負傷の恐れ・車の運転困難 |
風速25m~ | 転倒する人も・車の通常速度での運転不可能・看板等の落下・屋根の瓦が飛ぶ・道路標識が傾く |
飛来物・雨風の影響による落下物での負傷を避ける為、およそ風速20m以上の予報が出ている時は外出を避けましょう。
また、お子様連れの外出は風速15m以上の予報が出た時点で止めましょう。
テレビなどでの大きさの表現
大きさによって大型・超大型と呼ばれるものがあります。
これは、先述した強風域の半径が何キロメートルかで区別しています。
大型 | 半径500㎞~800㎞未満 |
超大型 | 半径800㎞以上 |
強風域の半径800㎞以上・以下で、大型・超大型と区別されていますが、「超大型」の台風の発生は2001年以降では3%未満と全体の割合から見れば少なく、「超大型」のまま日本に上陸する可能性は極めて少ないと言えます。
しかし台風は大きさ以外に、その強さに注意が必要なのです。
台風の強さは、最大風速によって階級が設けられており、それぞれ「強い」「非常に強い」「猛烈な」と区別されています。
強い | 最大風速33m以上~44m未満 |
非常に強い | 最大風速44m以上~54m未満 |
猛烈な | 最大風速54m未満 |
2018年7月末に発生した台風12号「ジョンダリ」は風域の半径はわずか80㎞・強風域の半径も140㎞だった為、大型にも満たない台風だったのです。
しかし最大風速は35mと強い台風だった為、注意が必要でした。
台風の呼称など
気象庁では発生した順番に、毎年台風に1号~の番号をつけます。
加えて、日本を含む14か国等が加盟する政府間組織である台風委員会は、2000年(平成12年)より、北西太平洋及び東シナ海で発生する台風には、加盟国が提案した固有の名前をつけています。
2000年の台風第1号には象を意味する「ダムレイ」という名前が付けられました。
以後、発生順にあらかじめ用意されている140個の名前を順番に用いています。
台風の年間発生数の平均は25.6個のため、概ね5年間で一巡し「ダムレイ」に戻り、繰り返し固有の名前が使われます。
但し、大きな災害をもたらした台風には、台風委員会からの要請を受け、その名前を以後の使わない様に変更する場合があります。
詳しくは気象庁の公式命名の方法をご覧ください。
台風の予想の為に必須のサイト
国土交通省 気象庁
気象庁URL:http://www.jma.go.jp/jma/index.html
防災の情報や各種のデータなど、国レベルの設備や観測を使って情報を提示しています。
その情報の信頼性は高く、まず第一優先で確認するサイトであることは間違いありません。
Windy.com
WindyURL:https://www.windy.com/
大気の流れを視覚的に確認できるサイトです。
台風が近づいてくると 画面に大きな渦がハッキリわかるようにでてきます。
画面下の時間のスクロールバーをスライドさせると、時間経過で天候の変化を表示してくれる優れた機能を有しています。
米軍(アメリカ海軍)台風情報
米軍(アメリカ海軍)台風情報URL:http://www.metoc.navy.mil/jtwc/jtwc.html
アメリカ・ハワイのアメリカ海軍台風警報センターです
本来はアメリカ政府のためのサイトであったとのことですが、現在は一般にも公開されているようです。
更新頻度は6時間です。
台風接近時の注意点
台風接近時には、雨・風に注意が必要です。
雨が降り出したら大雨や洪水の警報、土砂災害警戒情報にも注意しましょう。
川や海・沢・崖など、危険な場所には近づくのは避けて下さい。
また、気象庁の防災気象情報を随時チェックしましょう。
警報・注意報などが出ていた場合、特に警戒が必要です。
気象警報が出される現象は、命の危険がある可能性も孕んでいます。
危険な現象が懸念される数日前から、気象庁では警報級の可能性や気象情報を発表しており、危険度の高まりに応じて「注意報」「警報」「特別警戒」を段階的に発表しています。
■台風時に発表される主な注意報・警報■
特別警戒 | 大雨(土砂災害・浸水)・暴風・波浪・高潮 |
警報 | 大雨(土砂災害・浸水)・洪水・暴風・波浪・高潮 |
注意報 | 大雨・洪水・強風・波浪・高潮・雷 |
これらの情報をもとに、各自治体で危険な区域の住民に対し、避難準備・高齢者等避難開始・避難勧告・避難指示(緊急)が発令される場合もあります。
避難指示等が発令された場合、速やかに指示に従いましょう。命の危険があります。
また台風が熱帯低気圧・温帯低気圧に変わった後も、吹き返しの強風・大雨が続くなどの悪天候の可能性があります。
注意報や警報が解除されるまでは、警戒を続けましょう。
家で出来る台風対策
台風対策として自宅で出来る事としては主に4点あります。
植木やバケツ等を室内に入れる
ちょっとした植木鉢・バケツ・物干し竿等は屋内にしまいましょう。破損の可能性もありますし、万が一飛来物となってしまうと、通行人のケガの原因になりかねません。
集合住宅にお住まいで、バルコニーの手すりがコンクリート製の場合は特に注意が必要です。
また、排水溝のゴミは取り除いておきましょう。
排水能力が低いまま放置しておくと、強風で運ばれてきたゴミなどが原因で水が溜まってしまいます。
集合住宅等の賃貸物件の場合、運営会社から掲示板やチラシで、排水溝・地下駐車場・外壁給気口等について対処指示がある場合があります。安全に注意して、指示に従いましょう。
ドア類をドアストッパーに固定
台風の強風により、玄関のドア・窓を開けた途端に物凄い勢いで閉まってしまう事があります。
大怪我をする可能性もあります。台風時にはドアは常に閉めておくか、開けておくなら必ずストッパーに固定しましょう。
ガラスの飛散防止フィルム施工
ガラスの飛散防止のフィルムはホームセンターで購入できます。
お時間のある時、台風対策・災害への備えとしてご自宅のガラスをフィルム施工しておく事をおすすめします。
フィルムを貼る事によってガラスが割れてしまった時の飛散を防いで、長持ちさせることが出来ます。ただし、製品によっては貼れないガラスもあるので購入の際は商品の説明欄をよく読みましょう。
台風時だけでなく、予測出来ない地震等の時にも役立ちます。
窓の施錠
強風の場合、きちんと鍵をかけておかないと空いてしまう可能性があります。
雨が吹き込んだりしたら、家電等に影響がある恐れがあります。
すき間風の侵入や音の防止になるので、窓の施錠はしっかりしておきましょう。
そして、熱中症予防に室内の除湿をおすすめします。
台風の対策グッズ
また、より安全に過ごす為に、用意しておいた方が便利な対策グッズを紹介します。
全てホームセンターで購入できるものです。
台風以外の災害にも使えますので、何かあった時の為に用意しておく事をおすすめします。
緊急簡易土のう
土砂の少ない都市部での水害対策、あふれ水等の少量の水路の誘導に効果的です。
淡水用の吸水土のうなら、水を吸って10分で110gが16~20㎏に膨らみます。
庭が無いという方は備えておくと良いかも知れません。
防水シート+防水テープ
外に出してあるバイク・自転車の保護などに防水シートがあると便利です。
万が一、雨漏りをした時の為にも役立ちます。
また、雨戸・サッシ等のスキ間・シャッター・物置等の浸水や水漏れ防止、瓦屋根の水漏れ等の応急処置として、防水テープがあると便利です。
防水シート用の両面テープも販売されています。併せて購入しておく事をおすすめします。
雨漏り修正液
ハケ塗りするだけで水の浸水を防いでくれる雨漏り修正液。
壁のヒビからの水漏れ防止や、木製品の耐水などに効果的です。
さらに金属のサビの進行を抑える効果もある為、普段から常備しておくと便利です。
標識ロープ
ロープは多用途に使えます。
洗濯ヒモとして、また防水シートで包んだものを留める、荷物を縛るなど。
心配な方は用意しておきましょう。
他にも普段から雨具として長靴・レインコート等があると安心です。
台風時には強風で傘が壊れやすく、また飛散物になりかねません。傘の利用は控えましょう。
また災害時に備え、折りたたみが出来るヘルメットや防水リュックがあれば更に安心です。
小さなお子様や赤ちゃんがいるご家庭なら、普段から非常持ち出しの防水バッグを用意しておくと良いかも知れません。
そして、忘れてはいけないのはタオルやバスタオルの常備。
普段より沢山利用する上に、雨天ではすぐに洗濯物は乾きません。
夏場、台風のシーズンには買い足しておくと良いかも知れません。
まとめ(安全に過ごす為に)
2017年・2018年は、自然災害の多い年といえるのではないでしょうか。
台風の場合、ある程度の進行具合は予測できますが、天災は防げません。
特に東日本の大震災以降、非常持ち出し袋・避難用リュックセット・防水ラジオといった商品が右肩上がりに売れていると聞きます。既に、防災セットが1人1つの時代になってしまっているのです。
台風なんて毎年の事と思われるかも知れませんが、大袈裟ではありません。
現に台風の影響で命を落とす方もいるのですから、十分に対策を取って備えておきましょう。
通常、台風は上陸してからは熱帯低気圧・温帯低気圧に変わり、その後は勢いが衰えますが、先述した通り警報や注意報が出ているうちは十分に安全対策をして下さい。
壁のヒビ、雨漏りには早めの対策を。
台風時の雨風の影響には、備えが全く無いと焦ってしまうものです。
対策を万全に、心にゆとりを持って冷静に行動しましょう。